FW21 13.5oz DENIM 5P WIDE PANTS

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FW21シーズンでオーダーの多かった製品、ワイドデニムパンツ。


個人的にデニムパンツはとても好きなアイテムで、
ブランドを立ち上げるからには 絶対に挑戦しなくては と思ってた。

同時に
極めてありふれてもいるから難しいアイテム だとも。




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前にも少し触れましたが
素材の産地と製品の縫製は岡山県倉敷市児島です。

海外のメゾンやジーンズ専業ブランドがこぞってこの土地の生地を使い、縫製を依頼するのは
生地の生産から縫製までを長い時間手がけてきた歴史があるから。

コストを求めて別の土地や海外に生産拠点を移すことが当たり前になり
リーバイスでさえ自国での生地の生産はもう行っていませんし
工場もだいぶ海外に移ってしまいました。




そんな時代
長い年月をかけて積み重ねてきた技術を 今日も絶えず向上させ続けている、というのは
かなり稀有なことだと思います。

だから 本当に良いものを作りたいと思ったら
この土地のものを使って、この土地で縫ってもらう他の選択肢はありませんでした。日本に生まれてよかった。




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あまり数は多くはないけれど
ヴィンテージとして認知されている、時を超えて支持されているものをいくつか購入して参考にし

王道のパターンの特徴
ジーンズとして絶対に必要だと思うステッチの入れ方
ゴリゴリのマニアの人でも面白がってくれるようなディティール

を取り入れ 基本的な仕様としています。


これは細身の方のデニムパンツも同様です。




「型があるから型破り。型が無ければ、それは型無し」




とは18代目中村勘三郎さんの言葉ですが、これは本当にその通りだと思っていて。

"デニムを使ったジーンズ風パンツ" なのか "アレンジされたジーンズ" なのかは
結構こういう基礎的な部分が効いてくるのかなあなんて思っています。




デザイン面は90年代のスケーターが
極太のウエストのジーンズをベルトでギュンギュンに絞って穿いていたあの感じ。

タックが入っちゃっていてもお構い無し、みたいな。




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ラリー・クラークの映画「Kids」での
レオ・フィッツパトリック、ハロルド・ハンター。


彼らのようなムードを残しつつ、
僕が穿くならもっとクリーンな一本がいい
というのがスタート地点です。


わたりから膝まではかなりのボリュームを持たせつつ
大きなタックをとってウエストは収まり良く、ヒップのラインも綺麗に。
裾もややテーパードさせてすっきりと。

ポケットを跨いで入ったウエストのタックをデザインポイントに。




パターンも何回直したかわからないし 工場さんとはだいぶ折衝したけれど、
理想に限りなく近いものが出来たかなあ。




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バックボーンは大切にしたいけれど
ゴリゴリっていう感じでもない、っていう気分がうまく表現できたように思う。


早く穿きたいな。


*エイプリルフールだけど内容にウソはございません。



by tspacemen | 2021-04-01 15:19 | FASHION | Comments(0)

雑記

by 鈴木 健郎