秋夜の幽霊

デーモン&ナオミのライブでサポートとしてステージに上がっていた栗原ミチオのギターを聞いて以来、
彼が以前在籍していた日本のサイケデリック・ロックバンド、
ゴーストが気になって仕方がなかったところ
ディスクユニオンに1stが並んでいたのをこれ幸いとばかりに購入してきました。


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Ghost - ST

米国Drag Cityより再発されたこのアルバム、
予想を遥かに裏切る良さでした。
(最初のリリースは あのP.S.F Recordsより)


端的に言うと 霧深きコミューン的フォーキー・サイケ。

土っぽかったり、草木の生すような匂いが感じられたり
東洋的な宗教感が漂っていたりと
如何にもヒッピーっぽい雰囲気ではありますが
たっぷりとリヴァーヴがかけられ、
いずれも湿っぽさを含んでおり それが新鮮。

そこへフルートの音色がひやりとした風を呼び込みつつ、
どこか日本的な雰囲気も醸し出しているような。


楽器の構成的にも、“静”のバルドー・ポンド、
または 極めてダウナーに振れたアシッド・マザーズ・テンプル
と言うと分かりいいかも知れません。
(後者は想像に無理ある?)


日本訛りのある英語だからか、
さらにポエトリーリーディング的であるからか
ボーカル馬頭さんの歌声はダモ鈴木の様でもあり、
そしてルー・リードの様でもある。




こんなに好みのバンドが、
それも日本の、が 昨年まで活動していたとは
もっと早く知れなかった事が非常に残念です。

フロントマンの馬頭さんと萩野さんは新しいバンドを結成している様ですので、
そちらもチェックしてみよう。

栗原さんは特別、バンドを組んだりしてはいないのかな?




奇しくも秋の夜長に非常にハマる一枚。

母国だからこそ 見逃している素晴らしいものが
まだまだ山ほどありそうです。




Ghost - ST(Part1)


続きもアップされているので来なった方はどうぞ。
Commented by tspacemen at 2015-09-16 14:30
ひよこさん

BORISでの活動も昨年で終止符を打ったみたいで。
4年前、一度だけ日本でも開催された All Tomorrow's Parties / I’ll Be Your Mirror ではステージに確か4人上がっていましたから、
栗原さんもその場にいたのでしょうね。


あー…ばっちり汚いロン毛が写り込んでしまっていますね…

あの日の会場であった VACANT は確か、00年代以降出来たもので
普段は写真や絵画のエキシビションをやっているアートスペースで、確か全面板張りの床でしたから
あの絨毯は誰かの持ち込みでしょうか。確かにレトロです。


STILL IN A DREAM、DISC1、5のチョイスがいい!
特に1はサイケから独自のカテゴリへの過渡期的な、オリジナリティのあるラインナップでかなり好みです。
A.R. KANE懐かしい〜(もちろんリアルタイムではありませんけれど)

日本のコールターオブディーパーズ、最近気になっているネオサイケバンド・スピンドリフトとかも収録されていて
かなり客観的で幅広い選曲ですね。
問題はマニアック過ぎて売れない、と言う点でしょうか…


日本では深く歪ませ、たゆたう様なサウンドにウィスパーボイス、と言う形式のみをそう呼びますが
海外では (陶酔にしろ混濁にしろ) 自我に強力に干渉するサウンドがそうなのでしょうか?

レビュー考えてみます!
by tspacemen | 2015-09-15 03:02 | music | Comments(1)

雑記

by 鈴木 健郎