Tribute to Hieronymus Bosch in Congo

“ファーブル昆虫記” を午前中に読んで (夏は毎年 昆虫学者になるつもりでいた)
お昼ご飯をとり、スイカを齧りつつ少年アシベを観て、
さてどっこらしょ、森に虫捕りに出かけていたのは 20年前?


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たぶんご本人は こう前置きされる事にうんざりでしょうけれど、
昆虫学者ジャン・アンリ・ファーブルのひ孫で、
アーティストのヤン・ファーブルの展示会

「Tribute to Hieronymus Bosch in Congo」

表参道のルイ・ヴィトン7F、
エスパス・ルイ・ヴィトン東京で開催中。



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(画像はopenersより)


スカラベ (南米のタマムシ?) の羽を大量に使用したモザイク画は、
緑〜青に美しく煌めくその第一印象とは裏腹に
濃い政治的メッセージを込めた ショッキングな題材を描き出している。

人骨を羽で覆い、
トロピカルな鳥の剥製と共に配した作品などもあり
楽園の崩壊
(あるいはディストピア、と言うと少し趣きが異なるでしょうか?)
を感じさせる。

ブルジョア主義の享楽の陰に隠匿された残虐な現実…




でも正直なところ
僕の頭では 完成までに必要とされた労力と時間
そしてその羽の美しさ以上に心打たれるものは無かったなあ。


潤沢な資金を背景に感じて、
また 捕獲されて鞘羽のむしられてしまった 大量のかわいそうなタマムシたちの事を考えると
どうも鼻白む思いがしてしまいましたが、

今喫茶店でコーヒーを飲みながら思うに
それこそがこの作品群のテーマとなっている、
ベルギーの行ったコンゴに対する植民地政策の全てだったのではなかろうか。




この薄い嫌悪感までもが作者の描き出したいものであったのだとしたら
感情の動きまでもが意図されたものであったのだとしたら

やはりアーティストと言うのはすごいと思わざるを得ません。


掛けちがったボタンのような
ちぐはぐな合点なのかも知れませんけれど。




ともかく、
無数の光が輝く巨大な作品は壮観です。

単純にきれい。
それだけでも観る価値があるんじゃないかな。
(入場は無料ですしね)

9/23日までの開催となっておりますので、
ご興味のある方は是非。




ちなみに
今は進んで虫さんたちと仲良くしたくはありません。



by tspacemen | 2015-09-06 20:00 | art | Comments(0)

雑記

by 鈴木 健郎