Julia Holter - EKSTASIS

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先日購入したリンダ・パーハクスのアルバムにも参加しているアーティスト、
ジュリア・ホルターの「エクスタシス」




チルウェイヴの文脈とともに語られる事も多い彼女。


美しい歌やサウンドを浮遊感とともに聴かせる

と言うスタイルは
この近辺のアーティストの常套句であり、
かつ唯一の共通点。


ジュリア・ホルターの音楽は
蜘蛛の巣をシールドに電子楽器を繋ぎ合わせ
人けの無いオペラホールでただ一人演奏をしているような
耽美的で少しローファイ、
そして不穏な無邪気さを醸し出す。


戯曲的で、ともするとファンタジーとも取れるメロディーの中には
すきとおった 少女のような歌声もあり
キュートでガーリーな一面も垣間見えますが、
シンセやエフェクトの香が静かに、しかし確実に異空間の匂いを漂わせ
時に実験的に、時に霊的に
荘厳さだけではない 遊び心に富んだ

「現代のクラシック」

と言った趣も感じさせます。




ドローンは宗教的な深いサウンドで
ほとんどサイケデリック。

超自然的なものから来るものとは真反対の、
人の生み出した神秘から来るサイケデリア。




また 声を電子化するボコーダーは大体の場合、
無感情な機械へとその存在を近づけるのに対して
このアルバムに聴こえるそれはむしろ

“天の声”

とか言う
とても人間らしい感情がもたらした産物を連想させます。


啓示や〜




いかにしてパーハクスとホルターが邂逅を果たしたのかはわかりませんが
両者の音楽は
美しさと神秘性という点で共通している。


時代や世代は変われど、
お互いに尊敬し合う姿は素晴らしいなあ。




古いからダサい、とか
最近のだからガキっぽい、とか。

陥りがちだけれど、ほんともったいない。


Julia Holter - Marienbad

by tspacemen | 2015-05-20 01:57 | music | Comments(0)

雑記

by 鈴木 健郎