ものの有り様を決めるのはその人自身である

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今夜はドイツが生んだ実験音響集団、
EINSTUERZENDE NEUBAUTEN
(アインシュトゥルゼンデ・ノイバウテン)
のファーストアルバム、KOLLAPSについて。

2002年春夏のラフ・シモンズのコレクションで
KOLLAPSとプリントされたカットソーが出ていましたが
何かここからの繋がりを感じてしまうのは
勘繰り過ぎでしょうか?
スリーブレスTシャツ持っていたと思うのですが
どこ行ったんだろ…
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このゲリラファッションで物議を醸し出したコレクションのものだったんだけれど。




「崩れ落ちる新しき建造物」の名を持つ彼らは
80年、ブリクサ・バーゲルトを中心に当時の西ベルリンで結成。
この人イケメンなのにかなりブッ飛んでます。

(また筋からは外れますが
ブリクサはバースデイ・パーティーからバットシーズに至るまで
並行してニック・ケイヴと共に活動していた事でも有名です。)

楽器と、およそ音楽とは無縁の道具から打ち鳴らされる音は
アルミホイルを思いっきりかじったような
無機質で暴力的なノイズ。
絶叫にも似たボーカルと合わさり悪夢的なコラージュを展開。
初期キャバレー・ヴォルテールさえもが音楽的に聞こえてきます。
冷ややかで、白熱している。
タイトル通りの崩壊を、作り出している。

ノイズシーンの源流はドイツにあったのです。



DIYと怒りとがパンクであるならば
彼らは紛れも無くパンクで有り、
先進性と芸術をもってプログレッシブとするならば
彼らはプログレッシブロックで有り、
商業からの脱却と急冷作用とがニューウェーブならば
彼らはニューウェーブである。

(あらゆる事に感じますが、
カテゴライズする事ほどの
創造の芽と活動の幅を制限する行為は無いと思います。
所謂アートと言うものは、そこから逸脱する事なしには
生まれ得ないのでは無いでしょうか?)



現代芸術の一カテゴリーとして、
またドイツが誇る気狂いバンドとして。
また、元プッシー・ガロアのジョン・スペンサーが
ノイバウテンのキャラクターをバンドのロゴとしてパクってみたりと
ニューウェーブ、インダストリアル、ノイズ、トラッシュ近辺で
名前をよく聞く彼らですが、
はっきり言って全くお勧めできません。僕はかなりのファンですが…

中期以降、かなり音楽的になって行きますので、
もし興味が有りましたらそこから…
ごめんなさい、可哀想に……




破壊と混沌、
モノクロームな砂嵐の音楽は、
行動と、
明確な意志表示を僕に突きつけてくる様に思えてなりません。

EINSTUERZENDE NEUBAUTEN / Tanz Debil

アルバムの一曲目ですが、一番聞きやすい?
by tspacemen | 2013-09-11 23:34 | music | Comments(0)

雑記

by 鈴木 健郎