Temples

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前回のホステスクラブウィークエンダーでも来日、
そして5月より単独公演も決まり
いよいよ(僕の中で)日本での露出も高まって来た感のあるイギリスのサイケデリック・ロックバンド、
テンプルズ。


ビートルズのサージェント・ペパーズや
ストーンズ、サタニティック・マジェスティーズ
そして何よりバーズの霧の5次元(この邦題はマジでナイス)を彷彿とさせる
「ネオ」なんて必要の無い サイケ全開、懐古趣味なんて言う言葉では済まされない 完全時代性無視の、
“今鳴らされているオリジナル・サイケ”。

(Paperhead何かもそうですね)


またボーカルのルックスも
MC5かジム・モリソンかシド・バレットか、
と言う様な見事なカーリーヘアー。
(ご丁寧な事にギターはダンエレクトロ)

その歌声からコーラス、
レイドバックしたドラムのズンドコ感や万華鏡の様な12弦ギターのアルペジオに至るまで徹頭徹尾60'sのそれです。




しかしながら じゃあ当時の歴史的名盤を聞けばいいじゃん、と言うのは少し乱暴で
確かにそれと知らずに聞けば古めかしいバンドまんまではありますが

アナログの質感を残しつつも
当時の限りある機材環境を思えば飛躍的にサウンドは洗練され、
また(逆が功を奏する場合もあるけれど)無駄の無いポップさ、キャッチーさと言う
肥大化したマーケットに耐えうるであろうソングライティング力も持ち合わせており、
そう言った小ざっぱりとまとめられた点においては限りなく現代のバンド と呼べるのではないでしょうか?




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シューゲイズやガレージ、クラウトロックを取り込み、
より現代性の高いサイケデリック・ロックを鳴らすToyと同じく
Heavenly recordingsよりデビューアルバム
(写真右。左は日本企画盤のEP)
が発表されましたが、
最近のヘヴンリィはどうした?

(好きじゃないけれど)マニックスの様なビッグネーム、
個人的には最高のネオ・アコースティック・バンド、イースト・ヴィレッジや
セイント・エティエンヌ、ベス・オートンやドット・アリソンら
テクノとアコースティックをリンクさせたアシッドハウス以降の良心など
うっかりレコードコレクションに並んでいる 素晴らしいアーティスト達を擁しているとは言え、
どうしてもCreationや4AD、
HutやBeggars Banquetの影に常に隠れてしまっていたように僕は思うのですが、
どう考えても現在のイギリスのサイケシーンの台風の目はここです。


あんまり自慢できない音楽趣味と、抜群のプロモーション力を兼ね備えたマネージャーでも入ったのかしら。




好きな様で いまひとつピンと来ないオーストラリアのTame Impara
ニューレイヴの狂乱の渦に飲み込まれず、飄々と活動を続けるMGMT
あろう事かぐいぐいと勢力を広げつつあるAnimal Collective
00年代中期ごろより同時多発的に発生したシューゲイザー、
エクスペリメンタルなブルックリン一派。

何だかちょっとずつここらへん、
僕の好きなタイプの音楽シーン、盛り上がってきているような…




残念な事に、アメリカ南部を中心に広く、ひっそりと分布する 本当にドープなアーティストにとって
このブームの予感は まるで他人事のままの様です…


Temples - Shelter Song


Temples - Mesmerise


往々にして僕がお気に入りのバンドはアンダーグラウンドなまま消えてくパターンが多いですが、
カモメまゆ毛の弟の方が大絶賛とか
ジョニー・マーのお気に入りとかも言われておりますし
何とか長い事続けて行ってもらいたいものです。




(おまけ)
Chapterhouse - Mesmerise

Mesmeriseと言ったらこっちも忘れてはいけません。
Commented by ひよこ at 2014-02-17 10:06 x
リンク完了しました〜、頑張りました〜、いろいろと。

最近にもの全く疎いので、初めて知ったテンプルズさんについて調べました。3周くらい懐古主義回って戻ってきたウルトラブーメランバンドですね。この手のバンドがイギリスではよくジャーナリストに推されてるようで。
最近はウィキより先にピッチフォークの残酷なイギリスバンドへの洗礼を確認してしまうのですが、やはり5.5でした。レヴューされているだけマシかも。英米の音楽マーケットの格差は広まるばかり。日本は両方に敬意を払っているようですね。
Emeraldsさんが典型的ピッチフォークのお気に入りバンドの運命を辿ったのに対して、このバンドは結構長生きしそうな気がしますが。
だって、Heavenlyさんにはあの大物レーベルがついてるもん。
Commented by tspacemen at 2014-02-18 01:24
ひよこさん

リンクありがとうございます!お疲れ様でした。

音楽レビューってとどのつまり、個人(あるいは集団)の趣味を
勿体ぶって さも正しい事の様に語りシンパを集める物
(もちろんこうして感想を書いている僕も含まれるのでしょうが)
だと歪んだ理解をしましたので
影響されやすい事もあり最近はあんまり読んでいませんが、エメラルズは高評価だったのですか。
何とも、らしい…。嬉しいですけどね。

大物レーベルといえばV2→ユニバーサルでしょうか?
今やどこもかしこもインディーズ「事業部」ですね。
それをうまく利用して面白いバンドが活躍の機会を得られるのであればバンザイ、ですが
アクの強いメンツばかりを揃えたレーベルが減っているのは少しさみしい気もします。
by tspacemen | 2014-02-16 23:29 | music | Comments(2)

雑記

by 鈴木 健郎