座して待つ

こたつの妖怪から人間に まだちょっと戻り切れていません。


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年始に買った音楽あれこれ。
服が欲しいけれど買えない時
思わずCDを買い込んでしまい、
欲しい物が見つかった時には 既に懐事情が厳しくなっていると言う
いつもの系譜を辿っている気がしてなりません。


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Singapore Sling - Must Be Destroyed

何度か紹介させて頂いている
レイキャビクのネオサイケバンド、シンガポール・スリング。

近年の作品以外は軒並み在庫なし@Amazonですので
地道に中古レコード店を周るより他にありません。


この2010年リリースのアルバムは
ウィキペディアによると
Perversity, Desperation and Deathに次ぐ4枚目のスタジオアルバムとして、
ディスコグによるとMiscellaneous (雑多な物からなる) 、
と記載されていてイマイチはっきりしません。
(そもそも両者においてアルバム数が異なる)


内容は安心の
硬質なノイズを纏ったシューゲイズ・ガレージ・サイケデリア。

ケースはバキ割れ。
あざっす!

現在は
Third Sound、Dead Rabbit、The Underground Yourhら良質のネオサイケバンドひしめく
Fuzz Club Recordsに在籍している模様。
興味のある方は是非そちらも。
ここレーベルのロゴがプリントされたTシャツを目下捜索中です。

Singapore Sling - You Can Never Change Your Heart





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Factory Floor - JPN

インダストリアル、エクスペリメンタル、ジャーマンロックがない交ぜになったノイズが
ストロボライトの閃光に焼かれて踊る
覚め切ったダンスフロア。

今現在ロンドンで最も前衛的でスリリングな音を鳴らしているのは
彼らだと僕は思うのです。


この日本企画盤のアルバムには
Joy Division〜New Orderのドラマー、
スティーヴン・モリス、
初期インダストリアルの極北、Throbbing Gristle
(直訳すると脈打つ軟骨…分かるでしょう?)
のクリス・カーターによるリミックスも収録。

またサイドプロジェクトとして
ファクトリー・フロアの紅一点ニッキ・コークは
クリス・カーターと、
同じくスロッビング・グリッスルのメンバーであったコージー・ファニ・トゥッティ
(彼ら二人はクリス&コージー→カーター・トゥッティとして現在まで活動)
と共に
カーター・トゥッティ・ヴォイドとしても活動しております。

因みにジャケットはこれを青くしただけ。


執拗に反復するビート
接触不良の発信音
イアン・カーティスの亡霊が如くボーカルの織りなす
強烈にアシッドな ハードミニマルに接近したサウンドに魅入られたが最後、感電死。
合掌。

Factory Floor - A Wooden Box


Factory Floor - Lying


Factory Floor - (Real Love)





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Spacemen 3 - All Fucked Up

1988年ドイツツアーのブート盤。
結構レアです。
いよいよ揃ってきた感があるなあ。

ヒプノティックなサウンドはなりを潜め
ガレージ寄りのライブの様子が収められています。
音質はまあまあですが、
ブートにしては悪くないんじゃないかな。

そう言った音の中では
ノイズに潜む倍音と トレモロの波に
肉体や意識が分子にまで還元されて行くような
両親に申し訳ない気のする、素敵な感覚が味わえるのですよね。

ツメは半分位割れてました。
あざっす!

Spacemen 3 - Take Me To The Other Side (別のライブのものです)





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Austin Psych Fest 2012
(私的) 一度は行ってみたいフェス断トツの一位
オースティン・サイケ・フェスの、
2012年の映像作品。

ブライアン・ジョーンズタウン・マサカーから
ザ・ブラック・エンジェルズから
テレスコープスから
サイキック・イルズから
ジー・オン・シーズから…
そのどれも (沢山の僕が) 単独公演を熱望して止まない
豪華に危ないメンツばかり集めた夢の祭典。

さぞかし派手にトリップできそうですが、
小心者の僕にはディープ・サウスに行くなんて事はできません。
きっと狩られてしまいます。


まだ見ていないので週末が楽しみ。




と毎度長くなりがちな紹介でした。

形のある物は
「ほら、こうでしょう?」
と 見て頂けば良いですが
音とか、匂いとか味とか
目に見えない物を説明するのはとても難しいですね。
Commented by tspacemen at 2014-01-21 00:42
ひよこさん

初めまして!
脱帽だなんてとんでもございません、
音楽的な詰め込みも文章力も
あろう事か語彙までも無い僕の記事を読んで頂いて本当に恐縮です。

ブログへもお邪魔させて頂きましたが
ミュージシャンの現地での姿やそれを囲むコミュニティの様子など
「お金を払って海外からのお客様を見に行く」と言った、これぞ日本人スタンスの僕からは
とても羨ましく、また新鮮なお話ばかりでした。
また俯瞰の目から語られる切れ味鋭い、
小気味の良い言葉には胸の空く様な面白さと共に
つい一方方向へと進ませがちな思考へ考慮の為のくびきを与えられた思いです。

ご実家の埋蔵金にも非常に関心がありますが、笑
Opal始め僕の世代ではもはや語られなくなったアーティストについても
いずれお話頂けたらと思います。

長くなりましたが、コメントありがとうございました!
またいらして下さい!
Commented by tspacemen at 2014-01-26 18:54
ひよこさん

いえいえ!楽しく読ませて頂いております。
ペイズリー・シンドロームのバンドたちはそんなにマイナーだったのですね。
かなり意外です。
レインパレード何かもとても良いですよね。

Tシャツはソニックのサイトで一時オーダーできたものでしょうか?
僕もオリジナルの白のボディの物をオークションで競りましたが、
30000円近くまでついてしまったので諦めた事があります。
高額とは言え、羨ましい…

リスト楽しみにさせて頂きます!
先日コメント頂いた中にありました
The Perfect Disasterと言うバンドもすぐ調べてみたのですが
なかなかそれらしきものが見つからず…
本当に音楽お詳しいのですね。

今イギリスで面白いバンドなどもご存知でしたら教えて下さい!
Commented by ひよこ at 2014-01-28 09:41 x
前回のコメント、誤字脱字ばかりだったので、今回はガンバリます。
スペースメンは元々マニア向きだったけれど、ここまでマニア度が増していたとは驚きです。
The Perfect Disasterはスペースメンと同じレーベルに属して同期で活動していたイギリスのバンドで、なんとなくアルバム買って聴いていていいな〜と思っていたのに、気がついたらなんだか消滅してました。その後フロントマンはスピリチュアなジェイソンさんとちょっと仕事したり、ベースはThe Breedersに参加したり。
YoutubeでThe Perfect DisasterプラスUpもしくは Heaven Scent(どちらもアルバムタイトル)でヒットしますので、数曲試し聴きできます。

最近のものは、全くチェックしてませんので。もうダメですね、この歳になると脳みそが固くて。しかも十数年のブランクがあるから何聴いても「なかなかいいじゃない」で、終わってしまう〜。Tspacemenさんの情報収集能力に、期待させて頂きます^^
Commented by tspacemen at 2014-01-28 23:39
ひよこさん

The Perfect Disaster、好み過ぎてびっくりしました。
Spacemen 3、The Telescopes、LoopやJAMCと
Mazzy Starをバイパスした様な
メランコリックな楽曲に
ルー・リードよろしくイルなヴォーカル、たまりません。
でも全然売れなかったでしょうね…

スピリチュアライズドとブリーダーズへの参加と言うのもなるほど納得な行く末です。
早速週末に探しに出かけてみます〜

僕は僕で余程偏っていますので、汗
あんまり期待しないで暇つぶし程度に見てやって下さい!
Commented by tspacemen at 2014-02-03 10:49
ひよこさん

Northsideには非常に申し訳ないのですが、
あれも一つ 愛の形と言う事で...
(でも当たっていると思うのです)
一応こんなブログでも色々な方が見て下さっているので
あまりに素直にものを書かないように心がけてはいますが、
結構普段の感じで書いてしまってました。

そうなんですよね。
音楽に限らず 何の脈絡も無いものを、自分なりの繋がりを見つけずに
聞いていたり、着ていたりするのを見ると
いったいアイデンティティーって何だろうか と思ったりもします。

訳の分からないキモい音楽を聴いているやつ、
と逆に大多数の方には思われているのでしょうが...
Commented by ひよこ at 2014-02-05 10:03 x
愛、です。分かります。
ある程度は本音で書かないと、ブログ面白くないですし、難しいですよね。私もいまだに自分のブログどうしたいのか方向性も決まってないし。後で裏話書きすぎたって、凄く後悔しそうです。
キモい、って言ったら、そんな、私もはいっちゃう(ま、確かに女性洋楽ファンのあいだで沈みっぱなしでしたが)
少子化と洋楽離れの日本で、サイケを愛していくことは大切なことです。あの伝説的バンド裸のラリーズを産み出した日本でサイケの土壌がなくなったら大変です。使命感持って頑張って下さい(プレッシャーかけて、ごめんね)。
Commented by tspacemen at 2014-02-06 20:32
ひよこさん

使命感はタップリなのですが、果たして効果が無いと言う…笑

テレビで流れているような音楽だけでは無く、
ここで紹介させて頂いている様な 一般には知名度が低くても、なかなか面白い音楽がある (あるかも知れない) と言う事を知って頂いて
たとえ全然好きになってもらえなくても 「自分でもあれこれ聞いてみようかな。」と
誰かに思って頂けたら本望です。インスタントな共感ソングに迎合するばかりじゃ無くて。

あ、もしお邪魔でなければリンクさせて頂いても宜しいでしょうか?

Commented by tspacemen at 2014-02-07 15:44
ひよこさん

確かに僕は打って付けかも知れません。レコードプレイヤーは未だにありませんが…

早速リンクさせて頂きました!
こちらこそ宜しくお願い致します。
by tspacemen | 2014-01-07 23:44 | music | Comments(8)

雑記

by 鈴木 健郎